1月17日、米国国防総省は、希土類元素を電子廃棄物から回収するプロジェクトに対し、510万ドルの資金をRare Resource Recycling Inc.(REEcycle社)に提供すると発表した。このプロジェクトでは、既存の実証施設の再稼働と、年間約50トンの希土類酸化物を生産可能な商業施設の稼働を目指している。
REEcycle社は、ネオジム磁石(NdFeB)に不可欠な4つの元素(ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム、テルビウム)の回収を目指している。この磁石は、防衛用途として電動モータ、ミサイル、潜水艦、無人機など幅広い分野で使用されており、米国内の供給網を強化する取り組みが進められている。
米国防総省の産業基盤政策補佐官であるケール博士は、「強靭な供給網を確立するには、希土類元素の多様な供給源が必要だ。REEcycle社の技術は、廃棄物として埋め立てられるはずだった素材から価値を引き出し、米国の外国依存を低減するのに貢献する」と述べた。
REEcycle社の独自技術は、希土類元素の98%以上を効率的に回収できる。実証施設の再稼働後には、商業施設の稼働を開始し、金属化や磁石製造を手がける企業向けに原材料を供給する計画だ。
MCEIP(製造能力拡大・投資優先化室)のディスタシオ氏も、「この支援により、REEcycle社は電子廃棄物から重要な資源を回収し、防衛産業に必要な希土類の供給を拡大できる。このような支援は、防衛産業基盤のリスク軽減と外国供給への依存削減に不可欠だ」と述べた。
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