豪州のレアアース大手ライナス社は18日、マレーシア工場で重希土類「テルビウム酸化物」の初生産に成功したと発表した。これは、5月に同工場で生産が開始されたジスプロシウム酸化物に続くもので、ライナスにとって2種類目の分離重希土類酸化物となる。
ライナスのCEOであるアマンダ・ラカーズ氏は、次のようにコメントしている。
「ライナス・マレーシアでのテルビウム酸化物の初生産は、当社にとって重要な節目です。これにより、5月に生産を開始したジスプロシウムとあわせて、電動モーターに不可欠なレアアース永久磁石向けの2つの重希土類を供給する体制が整いました」。
両製品の原料は、ライナスが西オーストラリア州で操業する世界有数のレアアース鉱床「マウント・ウェルド(Mt Weld)」から供給されており、軽希土類と重希土類の両方を含有する高品位鉱床として知られている。
現在、重希土類のほぼすべてが中国国内で生産されており、特に4月以降に導入された輸出規制により、世界中の自動車・エレクトロニクス業界では供給網の混乱が深刻化している。このような状況の中、ライナスの成功は中国以外での持続可能なサプライチェーン構築に向けた具体的な前進として、今後さらに注目を集めるとみられる。