韓国のLS Eco Energyが、ベトナムにおけるレアアース金属事業へ本格参入する。同社は12月17日、理事会においてレアアース金属事業への約285億ウォンの投資計画を承認したと発表した。
今回の取り組みは、レアアース永久磁石のサプライチェーン構築を加速させる狙いがある。上流では世界主要鉱山企業による鉱石・レアアース酸化物、中流ではLS Eco Energyによる金属化(ベトナム)、下流では親会社LS Cable & Systemによる永久磁石生産(米国)という、一連のバリューチェーン体制を描く。
LS Eco Energyはホーチミン市の生産子会社にレアアース金属化のための設備を導入する計画で、鉱山企業から供給されるレアアース酸化物を精錬し、永久磁石向けの金属へ加工する。
同社関係者によると、現在グローバル鉱山企業との原料供給および合弁事業について協議が進行しており、最終的な投資規模は出資比率や事業進捗に応じて調整される見込みとしている。
親会社であるLS Cable & Systemは、米国バージニア州チェサピークを有力候補地として、永久磁石生産拠点の設立を検討中で、現在は同州政府との協議および事業可能性の調査を本格化させている。
レアアース供給網の地政学的リスクが高まるなか、韓国企業によるサプライチェーン強化の動きが、今後一層注目されそうだ。
