豪European Resources、フィンランド希土類資源量を倍増

豪州上場のEuropean Resources Limitedがフィンランド西部で進めるKorsnäs希土類プロジェクトは、欧州域内における新たな希土類供給源候補として注目されている。同社が4月に公表した最新の鉱物資源量推定では、推定鉱物資源量が1,540万トン、TREO 1.00%に拡大した。2024年11月に発表された初回資源量の710万トン、TREO 1.09%から、資源量は2倍以上に増加した。

European Resourcesは、シドニーに本社を置く豪州上場の探鉱会社で、フィンランドおよびスロバキアで重要鉱物や貴金属プロジェクトを展開している。欧州で重要鉱物の域内調達強化が進む中、同社はKorsnäsプロジェクトを欧州向け希土類供給源候補として開発を進めている。

Korsnäsプロジェクトは、かつて鉛鉱山として操業されていた鉱床を中心とするプロジェクトで、現在は大規模な希土類鉱床の一部として評価が進められている。鉱床は軽希土類を主体とし、永久磁石に使われるネオジム、プラセオジムに加え、ジスプロシウムやテルビウムも含まれている。欧州の磁石サプライチェーン強化の観点からも注目される案件だ。

一方で、同プロジェクトはまだ本格的な鉱山開発段階には入っていない。現在の資源分類は推定鉱物資源量にとどまっており、鉱石埋蔵量はまだ算定されていない。また、採掘計画、経済性評価、環境評価、許認可取得など、鉱山開発に必要な主要プロセスも今後の課題となる。

今後の焦点は、追加探査による資源量の信頼度向上と、冶金試験による処理フローの確立にある。希土類プロジェクトでは、鉱石品位だけでなく、鉱石から希土類をどの程度効率的に回収できるか、商業的に成立する精鉱や中間製品を得られるかが事業化の鍵となる。

Korsnäsでは現在、大学や鉱物処理・冶金試験を担う専門機関と連携し、選鉱試験や湿式製錬試験が進められている。今後は、浮選試験、ミニパイロット試験、湿式製錬試験などを通じて、実用的な処理ルートの検証が行われる見通しだ。

欧州では、重要原材料法を背景に、域内での重要鉱物供給の確保が政策課題となっている。希土類は電気自動車、風力発電、産業用モーター、防衛関連機器などに不可欠な材料であり、なかでも磁石用希土類の安定調達は大きな課題となっている。

Korsnäsプロジェクトは、欧州における希土類供給源の有力候補として存在感を高めつつある。ただし、実際の供給源として確立するには、資源量の信頼度向上、処理技術の確立、経済性評価、環境・許認可対応などを進める必要がある。今後の技術試験や開発調査の進展が、プロジェクトの事業化を左右することになりそうだ。

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