ミャンマー武装勢力、支配地域での希土類採掘再開を準備

ミャンマーのカチン独立軍(Kachin Independence Army、KIA)は、10月に占領したPangwa-Chipwi地域での希土類採掘の再開を計画している。この地域はミャンマー最大級の希土類採掘拠点で、多くの鉱山が中国のビジネス関係者によって運営されている。

KIAの報道官ノブ大佐によれば、同組織は採掘に関する規則や政策を策定したが、計画の詳細について上層部や関係部門と協議中で、正式な許可はまだ得られていないという。「準備段階として、事業の進め方についても商人たちと交渉を続けています」と彼は述べた。

ミャンマー軍政とKIAの間で国境付近の衝突が激化する中、中国政府は10月末、全ての国境貿易拠点を閉鎖。これにより、物資不足や物価高騰が発生している。

「グローバル・ウィットネス」が今年5月に発表した報告によると、ミャンマーでの重希土類採掘拡大は地域社会や環境に深刻な影響を及ぼしている。同国は世界最大の重希土類供給国であり、電気自動車や風力タービンに欠かせないネオジム磁石の原料として需要が急増している。

中国はミャンマー希土類の主要輸入国で、過去2年で輸入量が2倍以上に増加。2021年には1万9500トン、2023年には4万1700トンに達した。

ミャンマー情勢の悪化は希土類市場に影響を及ぼす懸念があり、採掘再開の行方が注目されている。

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