米国は重要鉱物の確保とエネルギー転換に必要な資源供給を強化するため、退任を控えたバイデン大統領がグリーンランドへの投資促進に注力している。
来年1月にトランプ次期大統領が就任するまでの間、バイデン政権はウクライナへの支援拡大、鉱山の許認可手続きの加速、財政支援の拡充などを通じて、政策の基盤を固めようとしている。
ロイター通信によると、先週、米国のホセ・フェルナンデス副国務長官(経済成長・エネルギー・環境担当)がグリーンランドを訪問し、地元の外交官や鉱物資源庁の関係者と会談した。
グリーンランドはデンマークの自治領で、米軍の主要空軍基地があり、米地質調査所が重要鉱物と認定した資源が数多く存在する。
11月20日、フェルナンデス氏はグリーンランド政府とオンライン会議を実施し、日本、欧州、米国から70人以上の鉱業企業や投資家が参加した。この会議では、希土類プロジェクトやニッケル鉱山プロジェクト、モリブデン鉱山プロジェクトなど、7つの具体的な案件が議題に上がった。
会議には、オーストラリア、英国、EUの外交官や米国輸出入銀行、欧州投資銀行も出席し、各プロジェクトの進行について議論が行われた。
「グリーンランドでは、重要鉱物の開発を世界の責任と考えており、この分野でリーダーシップを発揮したい」と、グリーンランドの産業・貿易・鉱物資源担当のナヤ・ナサニエルセン氏がコメントした。
米国務省は、グリーンランドの政府関係者に対し、鉱山許認可や地図作成、規制の整備に関する助言を提供しており、鉱業投資法の草案作成にも協力している。
「もちろん、私たちは重要鉱物を確保し、それを経済発展に役立てたい」とフェルナンデス氏は率直に述べた。
一方、トランプ次期大統領は前任期中にグリーンランドをデンマークから購入しようとしたが、この試みは実現しなかった。
「次期政権がどのような政策を取るかは予測できないが、重要鉱物の需要が増え続けることに変わりはない」とフェルナンデス氏は語った。