豪州の希土類大手ライナス社(Lynas Rare Earths)は、2023年12月までの半期報告を行った。磁石、電気自動車、国防技術に使用される希土類元素の市場価格の下落により、半年間の利益が減少したと発表した。
一、ライナス社の半期報告内容
2023年12月31日までの6ヶ月間において、純利益は74%減少し、3950万豪ドルになった。
税引前利益は三分の二以上減少し、6260万豪ドルとなり、収益は37%減少し、2.348億豪ドルとなった。
ライナスの最高経営責任者(CEO)アマンダ・ラケイズは、カルゴーリー工場とウェルド山のプロジェクトへ3.47億豪ドルを投資した後、期末の現金残高が6.861億豪ドルに達したと述べた。
アマンダ・ラケイズは、「2024会計年度はライナスにとって移行期であり、顧客からのライナス製品への強い需要が続いている」と述べ、前向きな見通しを示した。
ライナスは、カルゴーリー工場の建設がほぼ完成し、ウェルド山からの最初の原料が2023年12月にカルゴーリー工場へ運ばれたと報告した。ウェルド山の拡張プロジェクトは進行中で、2024年後半には規模が更新される予定である。
二、ネオジム・プラセオジムの需要予測
決算報告で特に注目されるのはネオジム・プラセオジム(NdPr)の将来の需要に関する予測である。ライナス社の予測によると、ネオジム・プラセオジムの需要は2035年には2023年の2倍以上に、2050年には3倍に達するという。
2023年に入ってから希土類価格は低迷している海外のアナリストが予測するように2024年後半から価格が上昇するかどうかが注目されている。
■ご参考:ライナス社の決算資料
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