韓国のLSケーブル・アンド・システム傘下のベトナム電線メーカー、LSエコエナジーは5月23日、同社幹部がベトナム商工省のグエン・ホアン・ロン副大臣と会談し、レアアース供給網の構築に向けた協力について協議したと発表した。
会談には、LSケーブル・アンド・システムのク・ボンギュ代表とLSエコエナジーのイ・サンホ代表が出席。放射性物質や環境基準に関する許認可手続き、地元鉱業会社との連携などが議題となった。
LSエコエナジーは、鉱石の採掘から金属生産までを一貫して行うレアアースのバリューチェーンを、ベトナム国内に構築する方針。ロボットや電気自動車のモーターなどに不可欠なレアアース資源の確保を目指している。
ロン副大臣は、政府として支援する意向を示し、協力によってベトナムの産業競争力が高まる可能性に期待を寄せた。
ベトナムは、世界のレアアース埋蔵量の約18%を占めるとされるが、生産は一部の企業に限られ、規制が厳しい。
LSエコエナジーは地元の精錬会社Hung Thinh Mineralsと提携し、2025年の供給開始を目指していたが、施設建設の遅れなどにより計画は延期されている。
イ代表は、「30年にわたるベトナムでの事業経験を生かし、同国が世界的なレアアース産業の拠点となるよう貢献したい」と述べた。