米国の投資会社であるダルウィン金融会社(Darwin Financial Company、DFC)は、カリフォルニア州イニョー郡に位置するダルウィン鉱山の開発を目的に、非鉄金属採掘業者INYOAG LLCと5500万ドルの資金提供契約を結んだ。この資金は、鉱山のインフラを整備し、探鉱作業や運営効率の向上に使用される予定だ。
ダルウィン鉱山は、かつて7億4900万ドル以上の投資が行われており、再活性化を目指している歴史的な鉱山である。鉱山には、銀、鉛、亜鉛、タングステン、銅といった確認済みの埋蔵量があり、さらにゲルマニウム、ハフニウム、ガリウム、アンチモンなどの鉱物も含まれている。これらの鉱物は、光ファイバーや暗視装置、航空宇宙用合金、5Gネットワークなど、現代のテクノロジーに不可欠な資源である。
今回の投資は、特に米国の技術や国防産業に重要な鉱物の採掘を支援し、鉱山運営の拡大と近代化を図るものだ。DFCは、このプロジェクトを通じて、米国のサプライチェーンの安全性を強化し、重要鉱物の対外依存を低減することを目指している。
また、DFCとINYOAGは、100メガワットの太陽光発電プロジェクトを計画している。既存の地元電力部門への導管通行権を活用し、鉱山および周辺地域に持続可能なエネルギーを供給することを目指している。
DFCのマネージングパートナーであるデレク・ピューは、「今回の契約は、米国における重要鉱物の供給確保に向けた大きな一歩だ」と述べ、INYOAGとの提携を通じて、米国の技術的リーダーシップと国家安全保障の強化に貢献すると強調している。