米国のエナジー・フューエルズ(Energy Fuels)が米国のユタ州ホワイトメサ工場で、ネオジム-プラセオジム(NdPr)の分離に成功し、商業生産を開始した。これは米国で数十年ぶりの希土類元素生産再開を意味する。新しい第1フェーズの分離回路は年間850~1,000トンのNdPrを生産可能で、電気自動車のモーターに必要な永久磁石に使用される。
■同社のリリース内容
>過去の歴史
米国はかつて希土類元素の主要生産国だったが、1990年代に中国が市場を席巻し、米国の生産は縮小した。中国は現在も世界の希土類供給の約85%を占めており、サプライチェーンの安全保障に懸念がある。
>この成果の意義
エナジー・フューエルズの成功は、国内での希土類元素の安定供給を再確立し、国防や先端技術産業にとって重要な意味を持つ。さらに、環境に配慮した持続可能な生産プロセスが強調されており、経済的な利益だけでなく環境保護の観点からも評価されている。
>将来の展望
エナジー・フューエルズは生産能力をさらに拡大し、ジスプロシウムやテルビウムの生産も計画している。また、ウラン生産も並行して進められ、2024年には15万~50万ポンドのウラン酸化物を生産予定だ。これらの動きは、エネルギー安全保障の強化と共に、国内産業の復興に寄与する。
>影響
この達成により、米国は希土類元素市場において再び重要な地位を占めることが期待される。特に電気自動車や風力発電などのクリーンエネルギー技術にとって、安定した希土類供給は不可欠であり、エナジー・フューエルズの取り組みはその基盤を強化するものだ。