カナダのレアアース資源・分離技術開発企業Ucore Rare Metalsは7月7日、純度99.9%のジスプロシウム酸化物を製造したと発表した。日本、韓国、米国の希土類磁石メーカーや電子機器メーカーにサンプルを提供し、技術・品質評価を進める。
ジスプロシウムは重希土類の一つで、ネオジム鉄ボロン磁石の耐熱性や保磁力を高めるために使用される。電気自動車、ロボット、産業用自動化設備、再生可能エネルギー、航空宇宙、防衛など、高温環境でも磁石の性能維持が求められる用途で重要な材料となる。
中国以外では重希土類酸化物の供給元が限られており、欧米や有志国が希土類磁石の供給網を構築する上で大きな課題となっている。
Ucoreは6月22日、カナダ・キングストンにある同社施設で、ネオジム・プラセオジム酸化物の顧客評価用サンプルを製造したと発表していた。今回のジスプロシウム酸化物と合わせ、軽希土類と重希土類の両方について、磁石、金属、合金、先端材料メーカーによる評価を進める。
同社は6月、住友商事の米州法人である米州住友商事と、北米および有志国市場におけるレアアース供給網の多角化に向けた戦略的協力枠組みを締結した。両社は、レアアース分離施設向け原料の調達や、一部の中・重希土類製品の販売先、長期引取先の開拓で協力する。
特に日本市場では、米州住友商事がUcoreの指定する分離レアアース製品の販売パートナーを務める計画である。今回のジスプロシウム酸化物の顧客評価は、こうした協力枠組みを将来の具体的な供給契約につなげるための一歩とみられる。
