コンゴ民主共和国の国営鉱業会社Gécaminesは、同国初となるゲルマニウム精鉱の輸出を10月に開始した。
この精鉱は、ルブンバシに位置する子会社STLの湿式製錬プラントでリサイクルされ、ベルギーにある金属加工企業Umicoreに出荷された。これにより、DRC(コンゴ民主共和国)はゲルマニウムの世界供給において重要な地位を占めることになる。
今回の輸出は、STLが管理する「ビッグヒル」尾鉱場から採取されたゲルマニウム精鉱で、2024年5月に締結されたUmicoreとのパートナーシップに基づいて実現した。Umicoreは同鉱物の精製とリサイクルを担当し、ゲルマニウムを光ファイバーや太陽電池などのハイテク製品に活用する計画だ。
現在、中国は世界のゲルマニウム市場を支配しており、2023年に輸出規制を強化した。これに伴い、ゲルマニウムの国際価格が急上昇し、世界的な供給不足が懸念されている。この状況を背景に、コンゴが新たな供給源として注目され、ゲルマニウムの需要を満たす上で、DRCが果たす役割は今後ますます重要になるだろう。
Gécaminesの会長であるGuy Robert Lukamaは、この初出荷が「コンゴを戦略的金属のグローバルハブにするという数年間の野心を裏付けるものである」と述べている。今後、ゲルマニウムの生産拡大により、同国の鉱業収入がさらに増加し、国全体の経済発展にも寄与すると期待されている。
このプロジェクトの成功は、Umicoreの技術支援とSTLの準備が整った結果であり、今後の生産拡大とパートナーシップの深化が期待されている。
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