韓国輸出入銀行の海外経済研究所が9月24日に発表したレポートによると、2023年、韓国は半導体の主要原材料に関して中国への依存度がさらに高まっている。
シリコンウェーハ用シリコンの対中依存度は、2022年の68.8%から2023年には75.4%に上昇。さらに、半導体の研磨材として使用される希土類や、半導体の金属回路や電極に使用されるタングステンについても、それぞれ2.1ポイント、0.4ポイント増加している。
また、2023年8月と12月に中国がそれぞれガリウムとゲルマニウムの輸出規制を実施したにもかかわらず、韓国の対中依存度は逆に上昇している。次世代半導体に使用されるゲルマニウムとガリウムの対中依存度は、それぞれ17.4ポイント、20.5ポイント増加した。この背景には、韓国がグローバルなサプライチェーンの再編中に代替供給源の確保が難しいという状況があると見られる。
6種類の主要原材料のうち、中国への依存度が減少したのはフッ化水素酸の原料である蛍石のみで、依存度は49.9%から47.5%に減少している。
輸入依存度が上昇する一方で、韓国企業の一部重要製品の中国工場での生産比率も増加している。韓国「中央日報」によると、サムスン電子のフラッシュメモリ製品は中国・西安工場での生産比率が2021年の29%から2022年には36%、2023年には37%に増加し、今年末までには40%に達すると予想されている。
過去数年間、韓国は半導体の主要原材料に対する特定の国や地域への依存を減らすため、さまざまな対策を講じてきた。2023年3月、韓国政府はリチウムやグラファイトなどのハイテク産業に必要な33種類の重要鉱物について、中国からの輸入比率を2030年までに50%に削減する計画を発表。また、非メモリ半導体市場でのシェアを2030年までに現在の3%から10%に引き上げることも目指している。
この目標を達成するため、韓国は世界最大の半導体産業クラスターを構築する計画を進めており、サムスンをはじめとする大手企業は生産能力の拡大や研究開発に巨額の投資を行う予定だ。さらに、国内のサプライヤーを育成し、外部の原材料への依存を減らすための取り組みも強化している。
しかし、現時点では中韓両国はグローバルなサプライチェーンを通じて深い経済的相互依存関係を築いており、2万社以上の韓国企業が中国で事業を展開している。この強力な経済的つながりにより、韓国は原材料の供給と製品の輸出において中国に大きく依存している。
注目すべきは、米国に投資している韓国の自動車メーカーや半導体メーカーが、米国の「インフレ抑制法」や「CHIPS法」による補助金を受け、対米輸出を増加させている一方で、中国は依然として韓国にとって主要な輸出市場である点だ。米国が最近、韓国に対して中国への半導体や関連設備の輸出を制限するよう圧力をかけていることは、対中輸出に影響を与える可能性がある。