南アフリカの鉱物資源・石油相であるグウェデ・マンタシは、同国の鉱業が多様化の時代に入り、金だけに依存するのではなく、マンガン、クロム、バナジウム、ニッケル、プラチナ族金属、希土類といったグリーン経済の発展に不可欠なさまざまな鉱物の開発を進める方針を示した。
マンタシによれば、最近の研究で南アフリカが依然としてアフリカで魅力的な鉱業投資先であることが確認されている。
この研究では、南アフリカがグリーン経済の発展に重要な鉱物資源を多く有しており、しかもその潜在力が非常に大きいことが指摘されている。
一方で、南アフリカは今後200年以上にわたりプラチナ族金属の開発から利益を得られるとされており、また同国の豊富なマンガンとクロムの資源も、世界の自動車産業や建設業の発展において重要な役割を果たすと考えられている。
原鉱の加工を強化し、失業や利益の流出を防ぐために、南アフリカ政府は現地のマンガンとクロムの生産者と協議を行い、高付加価値製品の生産を促進しようとしている。
加工を奨励するためのインセンティブや税制優遇措置、また原鉱の輸出制限に関する税制について、マンタシは「南アフリカはこれらの鉱物の加工を歓迎している。持続可能で互恵的なパートナーシップを構築し、南アフリカの鉱物資源の潜在力を共同で開発したい。投資家が現地でリチウム電池やバナジウムフロー電池の開発に参加することを期待している」と述べた。
また、マンタシは、これまで南アフリカの鉱業発展を妨げてきた電力不足と物流の問題について、政府と民間企業が速やかに協力して解決する必要があると強調した。 さらに、南アフリカの鉱業権管理システムの近代化が進展しており、第一段階の開発が完了している。来年6月までには完全に移行作業が完了する見込みであることも明らかにした。